「原野商法(げんやしょうほう)」とは、主に1970年代~1980年代にかけて全国で横行した悪質な不動産詐欺のことです。
そして近年、この“売れない土地”を逆手にとった「原野商法の二次被害」も発生しているのです。二次被害に遭わないためにはどうすればよいのでしょうか。
本記事では原野商法の解説や二次被害の概要、二次被害対策について解説します。
原野商法とは?
原野商法とは、1970~80年代に全国で広がった悪質な不動産詐欺の一種です。業者は人が住めない山林や湿地を「将来必ず値上がりする」「別荘地に最適」と宣伝し、実際はほとんど価値のない土地を高値で販売しました。購入者は夢や投資、家族へ財産を残す目的等で契約しましたが、売却も活用も困難で、多くが無用の土地を抱える結果となりました。
原野商法の二次被害について
近年、その土地購入者や相続人に対する新たな詐欺が多発しており、原野商法の二次被害が起きているようです。
二次被害の詐欺手法は以下の通りです。
かつて原野商法で価値のない土地を買わされ、今も所有し続けている高齢者は少なくありません。「元気なうちに処分したい」「子どもに負担を残したくない」と考える人も多いでしょう。そうした不安や切実な思いにつけ込み、巧妙な誘い文句で近づく悪質業者による被害が、現在も繰り返されています。
二次被害を防ぐためのポイント
- うまい話は疑う
「必ず値上がりする」「すぐに買い手がいる」など、甘い言葉には要注意。過去に取得した土地はほとんど価値がない場合が多く、簡単に売れる話はまずありません。 - 一人で判断しない
契約や支払いを急かされた場合は、すぐに決めず家族や専門家、消費生活センターに相談することが大切です。 - 毅然と断る
上記のような怪しい勧誘にはきっぱり「興味がない」と伝えること。迷いや期待を見抜かれてしまうと、さらに誘われやすくなります。
原野商法の二次被害を防ぐためには、「土地を買い取ります」といった勧誘があっても、迷わず断ることが重要です。
では、所有している土地は今後どう処分すれば良いのでしょうか。
所有土地の処分方法
すでに所有している土地の処分は『相続土地国庫帰属制度』の利用検討がおすすめです。
相続土地国庫帰属制度とは、相続で取得した土地が利用困難で処分も難しい場合に、その土地を国に引き取ってもらえる制度です。
従来、売れない山林や原野を相続した場合、固定資産税などの負担が続きましたが、この制度を使えば国に土地を返すことができるので管理責任や税負担を減らせます。
ただし、この制度を利用できる土地にはいくつか条件があります。
そのため、生前に条件を満たすよう土地を整えておくなど準備が必要になるかもしれません。
将来の相続人に対して、あらかじめ制度のことを説明して理解を得ておくことも重要です。
気になった方は法務局や役所に相談してみることをオススメします。
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まとめ
原野商法は過去の悪質な土地詐欺ですが、今も二次被害のリスクがあります。
特に、過去に購入した山林や原野を「高く買い取る」といった勧誘には注意が必要です。
被害を防ぐためには、甘い話に飛びつかず、一人で判断せずに誰か相談すること、そしてきっぱりと断ることが大切です。
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