「競売物件」の購入に挑戦した体験記。
ある日、実家のすぐ隣が競売にかかっていることを知り――
私たち家族は、不動産競売に初めてチャレンジすることになりました。
きっかけは、お隣さんからの相談。
親しくしていたご高齢のご夫婦とその息子さんの住む家で、ある事情から住宅ローンが払えなくなっていたのです。
「なにか力になれないか」と話を聞いたところから、私たちの“競売体験”は始まりました。
この記事では、素人でも競売に参加できるのか?
何をどうすればいいのか?
実際に私たちが経験したことを、順を追ってお話ししていきます。
お隣さんからの相談
私の実家のお隣には、もともと高齢のご夫婦と息子さんの3人が暮らしていました。
10年ほど前に引っ越してきて以来、私たち家族とは良好な関係で、特におじいちゃんとはよくお話をする仲でした。
当時、私が就職して営業職に就いたときには、「運転には気を付けろよ」「変なお客に気をつけてな」なんて声をかけてくれたことを今でも覚えています。
そんなおじいちゃんが、2年ほど前に亡くなってしまい――
それからは、おばあちゃんとの挨拶程度のお付き合いに変わっていきました。
しばらくすると、両親が「最近、元気がなさそうで心配だ」と話すようになり、
ある日、母から「お隣さんが住宅ローンや税金の支払いに困っているらしい」と相談を受けました。
私は不動産業に携わっていることもあり、
「なにか手助けできないだろうか」と思って、直接お話を聞くことに。
ところが状況は想像以上に難しく、
住宅ローンの名義人である息子さんと連絡が取れず、所在も不明。
名義人不在のままでは、不動産としての売却や任意整理もできません。
「まずは息子さんと連絡を取ってほしい」とお伝えし、その日は解散しました。
・・・
そして数ヶ月後。
何気なく仕事中に競売情報サイトを見ていた私は、思わず手を止めました。
お隣の家が、裁判所の競売物件として掲載されていたのです。
「ついにここまで来てしまったのか…」そんな思いが頭をよぎると同時に、
私たち家族の間で、「だったら、自分たちで買えないかな?」という話が持ち上がりました。
そもそも「不動産競売」ってなに?
競売(けいばい)は、住宅ローンの支払いが滞ったり、差し押さえなどの事情で売却される物件を、裁判所を通じて公開入札で売買する仕組み。
一般の人でも誰でも参加できることはなんとなく知っていましたが手続きの仕方は詳しく知りませんでした。
正直、最初は「難しそう」という先入観があったんですが、
調べてみると意外とシンプルで、必要な情報は裁判所のサイトで誰でも見られます。
物件の詳細をチェック!3点セットを読み込む
裁判所が公開しているのが、いわゆる「3点セット」と呼ばれる書類
- 現況調査報告書:室内の様子や占有者の有無など
- 評価書:土地や建物の価値の査定
- 物件明細書:所有権や抵当権などの法律関係
物件の詳細や居住者の現在の状況がわかり、入札をするか否か、入札額の判断材料になります。
今回は隣の家なので、外観や立地、陽当たりなどの情報は分かっている。
これは競売初心者としてはかなり心強かったです。
家族会議で「やってみる?」となる
「入札って、個人でもできるんだ」
「保証金を払って、あとは書類を出すだけらしいよ」
そんな話をするうちに、だんだん家族の中で「やってみようか?」という空気に。
もちろん、「落札できなかったらお金は戻ってくる」という仕組みも安心材料でした。
不動産に詳しい私を中心に動くことに。
入札準備スタート!
ネットでも調べましたが色々と不安だったので裁判所にも話を聞きに行きました。
勝手に無愛想なイメージがありましたが…(ごめんなさい笑)
窓口の方がかなり優しく教えてくださいました。
入札に必要なものは以下のとおり:
- 入札書(指定の書式に記入)
- 保証金(物件価格の約20%)
- 入札書在中封筒+宛名封筒
保証金は事前に裁判所の指定口座に振込み。
入札書は「誤字・脱字・記入漏れ」があると無効になるので、家族で何度も確認。
ちょっとした緊張感がありましたが、それもまたイベント感があって楽しかったです。
いざ、裁判所へ入札書を提出!
入札期間内に、裁判所へ入札書を提出。
今回は初めてだったので、郵送ではなく直接提出しに行きました。
「こんな一般人が来ていいの?」と最初はドキドキしましたが、
執行官室にあるポストのような箱に入れるだけでした。
窓口の方も淡々としていて、拍子抜けするくらいスムーズに終了。
次回、いよいよ開札へ…!
入札を終え、あとは「開札日」を待つのみ。
果たして、私たち家族は落札できたのか?
そもそも、競売ってどんな雰囲気なの?
そして、どんな学びがあったのか?
後編では、いよいよドキドキの開札日〜結果〜その後について、
リアルにお届けします!
次回>>【後編】「不動産競売体験記」へ続く。
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